救済詩『永遠の絆』by KAINEL

永遠の絆

この言葉の向こう側に
あなたがいてくれるから

明日もまた
生きていける

この言葉の向こう側に
あなたがいるから

明日もまた
夢みることができる

この心の絆は
どんなに離れていても
途切れることはなく

どんなに時がたっても
色あせることがない

この詩がつなぐ
心の絆は
僕だけのものじゃなく

この詩を読んでいる
みんなのもので

僕がいなくなっても
この絆は
永遠に終わることはない

救済詩『小さい窓』by KAINEL

小さい窓

この小さい窓が
広い宇宙に
つながっているように

この孤独な心も
無限の宇宙に
つながっているのだろうか

窓からみえる
広がる夜空

瞬く星の輝き
うつむいた月の横顔

あのひとは
宇宙に消えていった

たいして幸福とは
いえない人生のあとで

たいして裕福とは
いえない生活のあとで

救済詩『1DK』by KAINEL

1DK

真夜中
狭い1DKの窓から
暗く静かな
街並みがみえる

窓を開けてみると
ひんやりした空気
肌を伝わり
心まで届くよう

深く沈んだ街並み
焦燥と葛藤ばかりだったのに
なぜか思いだしてしまう

とめどなくあふれる思い
二度と戻らない
あの時

狭い1DKの室内
僕はささやかな夢をみていた
孤独と喪失を繰り返しながら
それを叶えるために

救済詩『音』by KAINEL

近づく
遠ざかる

連続する
連結する

点滅する
継続する

規則的に
不規則に

無表情に
感情的に

具体的に
抽象的に

外側から
内側から

過去から
未来から

君から
僕から

救済詩『宇宙のどこかで』by KAINEL

宇宙のどこかで

駅へ向かう道
目の前に
白い月が
浮かんで

ここは
世界のどこか
果てのない
宇宙のどこか

混み合う車
朝の道路
その脇を走る
僕の自転車

ペダルを踏む
ちっぽけな僕の足
黙ったままの
白い月

ここは
世界のどこか
果てのない
宇宙のどこか