救済詩「温度」by KAINEL

温度

曇り空
街路樹
俯いたガス灯

妻と幼い娘
乾ききらない
カンバスの絵具

不愛想な
白髭の
郵便配達夫

暖のない
古びたアトリエ
疲れたイーゼル

窓の外
芸術の都
異邦人の溜息

階段を鳴らす
甲高い靴音
行ったり来たり

パレットに
くすんだ色ばかり
並べて