幻詩Ⅱ
霧のたちこめる
月明かりに浮かぶ
白い蝶の群れ
ひらひらと羽をはためかせ
水面を飛んでいく
あてもなく
漆黒の空の歌
口ずさむ心の影
輝く白い月の裏で
儚い夢を抱きしめた
足元の水草
まとわりつく生の迷い
今、私はこの時を静かに思う
波紋が広がり
やがて消えるまで
長い黒髪がかかる
背中に咲いた睡蓮の花
つかの間の自由に身をゆだね
生まれた羽音に耳をすます
白い蝶の群れ
ひらひらと降りだした雪になって
水面の波紋が広がり
やがて消えるまで
私はまだ
ここにいるのだろうか