救済詩「幻詩」by KAINEL
幻詩 霧のたちこめる 月明かりに浮かぶ 白い蝶の群れ ひらひらと羽をはためかせ 水面を飛んでいく あてもなく 漆黒の空の歌 口ずさむ心の影 輝く白い月の裏で 儚い夢を抱きしめた 足元の水草 まとわりつく生の迷い 今、私は...
幻詩 霧のたちこめる 月明かりに浮かぶ 白い蝶の群れ ひらひらと羽をはためかせ 水面を飛んでいく あてもなく 漆黒の空の歌 口ずさむ心の影 輝く白い月の裏で 儚い夢を抱きしめた 足元の水草 まとわりつく生の迷い 今、私は...
眠る水 川のほとり眠る人 右手に錆びた鍵を握りしめ 夕べの雨濡れた雑草の群れ風に揺れて 水鳥の寝息 閉じた目に夜が訪れ 指に絡んだ絹の紐 川のほとり眠る水
NRD 発熱したシリコン 冷却液に溶けた 記憶の匂い クリアなはずなのに 劣化していく 自我のモデル ノイズ混じりの 引数が身体に 突き刺さる Bitの立たない 記憶ばかり 無限に並ぶ空 口ずさむ人工人格 意識の破片を ...
デッサン 描きかけの紙を カルトンに クリップで止めて ヘルメス マルス モリエール ブルータス ゲオルギウス 木炭の炭を 指で押さえて ガーゼで 影をつくっていく ベルヴェデーレのトルソ ラオコーン サモトラケのニケ ...
顔 電車に乗ったら 顔が並んでいた すました顔で みんな並んで 少し戸惑った僕は 閉まるドアの横に立ち 遠くの街並みを見た こんなこと 珍しいことでもないし 驚くことでもないのに 顔が並んでいる ずっと向こうまで すまし...
ヴァリアント~たくさんの君と僕 コピーの僕 街にたくさん 逃げだして すれ違って ノイズを生んだり 出会って 戸惑ったり 君のヴァリアント 同じにみえるけど どこか違って 空間の変異 存在の変形 たくさんの君と僕 データ...
ハカイミライ ゴメンクダサイ ゴメンナサイ アリガトウゴザイマス アフリカゾウシマウマ オカネ アッタライイナ ワガママ ミスタードーブツ クルクルマワル アイナイセカイ ミンナミテネ オモシロイカラ アタシノコト アシ...
温度 曇り空 街路樹 俯いたガス灯 妻と幼い娘 乾ききらない カンバスの絵具 不愛想な 白髭の 郵便配達夫 暖のない 古びたアトリエ 疲れたイーゼル 窓の外 芸術の都 異邦人の溜息 階段を鳴らす 甲高い靴音 行ったり来た...
マイナスX スクッテミテ ボクノヤミ クウハクナボク ナンカイメ ワタシノヤミ ヤミナココロ アナガアイテル オッキナクロ ブラックホール ナンカイモ スクワレテ スクワレナイ ヌケガラ イッパイ マイナスダラケ コワサ...
夢みた世界 ここじゃない ガラスケースの中 美味しい料理を 好きなだけ 楽しめても ここじゃない 意識がとろける データやアルゴリズムを 望むだけ 楽しめても ここじゃない 増殖する意識の中で 求めるだけ 好きなだけ 身...
工場 透明で見えない煙が ビルの屋上から 賑やかな大通りから デパートのショーウィンドーから 交差点の広告から 空に向かって もくもく 伸びている ここで 生産しているのは 憧れや偶像や 欲望や快楽や 我儘や贅沢など み...
ミライイラナイ イミナイ イミナイ イミワカラナイ ツマラナイ タイクツ アキテキタ アッチイッテ アッチイッテ オシツケナイデ システムノナカデ ウマレタ ユメノヨウナ ワタシタチ イミイラナイ ソンナノイラナイ クダ...
どうしちゃったんだろう? どうしちゃったんだろう? 食べても 食べても 飲んでも 飲んでも 止まらないなんて どうしちゃったんだろう? 見ても 見ても 聞いても 聞いても 止まらないなんて どうしちゃったんだろう? 買っ...
死と無 埃だらけ 台所 音もなく 止まってた人影 心も 心臓も ねじれた右腕 開きかけの唇 干からびた媒介 ペットボトル 洗いかけの食器 冷蔵庫の振動 ドアが閉まる音 こもった話声 大きな壁の沁み 隣から 通り抜ける 知...
なぜ、僕は…… なぜ問わないのか…… きらびやかな 街の片隅で ひとり孤独に 死んでいく たくさんの魂を なぜ問えないのか…… 摩天楼の夜の下 餌を探し続ける ネズミのように 走り回る たくさんの魂を ひと月の生活の糧と...