救済詩 『ikimono』 by KAINEL

ikimono

早く殺してほしい
と君は言った
僕はなぜと聞いたけど
答えはなかった
肌から汗がにじみでるほど
だるく蒸し暑い狭い部屋
裸で僕を見ている君は
すねている子供みたいだ
うふふと意味のない笑い
あははと不気味な笑い
手にしたナイフはぎらついて
太陽がまぶしく反射する
きっと僕は君を愛している
殺したいと思ったのは君の存在
僕を卑下した君の魂
赤い血を噴出した僕の首筋
だらだらと流れだす赤く綺麗な血液
首筋にむしゃぶりつく君の唇
うまそうに舌を鳴らして
痙攣をしている僕なんか気にしていない
血を流すおもちゃ
君にはちょうどいい遊び相手
うふふと不気味な笑い
ひひひと嬉しそうな笑い
肉を噛み切る音
くちゃくちゃと舌を鳴らして
顔を真っ赤に染めて
汗と血が混ざり合う
蒸し暑い狭い部屋