救済詩 『U R G E』 by KAINEL

U R G E

通りすぎる枯れた大地に
赤い太陽が燃える
いつか見た映画のように
乾いたアスファルトの上
白い車とばして

遠ざかる景色の中
失ったものは
痛みのない世界へ

空が赤く染まっていく
最後の幕が静かに上がっていく
がらんとした舞台が熱気を帯びて
僕はそこで、また……
逃げて、求めて、待って、叫んで、吼えて、
最後にこう言うのだろうか……
遠ざかる景色の中
失ったものは
痛みのない世界へ

どこに向かおうか……
どこに向かえばいい?

この空の向こう側へ続く道
今は振り返るのはやめよう
すべてをかき消されてゆく毎日でも
乾いたアスファルトの先に
信じられる未来を求めて