救済詩 『Vagueness』 by KAINEL

Vagueness

光と闇の中で揺れ動く
儚く美しい運命達
細いろうそくの炎のように
消えかけては物憂い息をする

朝の日差しにうつむいて
日没の夕暮れに戸惑い
短い命の終わりにたどり着いた時
はじめて気づくのが運命

誰もいない場所
何も見えない風景
静寂にかき消された途切れた銃声
突然世界が止まったように
そのひとは瞳を開けようとはしない
いつか来る恋人を待つように
幸福そうにほほえんだ

流れてゆく時は気づかない振りをするだけ
孤独にきつく抱かれた人々は、魂は
光と闇の間で揺れ動く
儚いかげろうのようだ
消えかけては物憂い夢をみる