Silence in Stillness
夢、幻、沈黙と静寂
夜の底に溶けてゆく月の破片に
青白く光る涙がきらめいて
その目からあふれでてくるのは
狂気、芸術、苦悩と愛
理性、欲望、罪と悲しみ
その口からもれてくるのは
堕落、退廃、美と幻想
許し、贖い、死と救い
わたしは天を仰ぎみている
刹那と永遠が混ざりあい
破壊と創造が抱きあう空に向かって
そう、仰ぎみている
妖しく光る月光より
艶やかで美しかった顔も身体も
いつのまにか消えうせて
すりきれた心だけが
まるで死んだ小鳥の亡骸のように
手のひらに残った
夢、幻、沈黙と静寂
ただそれだけが欲しかった
それだけを求めていた
わたしは手をのばす
無限と極限が溶けあい
輪廻と転生が貪りあう空に向かって
そう、手をのばしている