君と僕と死について
僕達は遥か遠い未来に出会うだろう
終末の叫び声がだんだん近くなる
僕は君と出会うために
全てを捨て、全てを失い
魂も商人に売り渡してしまった
僕達は遥か遠い過去に会っているだろう
まぶしいほどの太陽の光が降りそそぐ
あの夏の日の
君の優しい微笑みを僕は忘れない
君のさしだしだ手のひらは暖かく
僕は君のことを……
僕達は遥か遠い未来にまた殺しあうだろう
君への愛は憎悪に変わり
僕は君の全てを奪い燃やし尽くすだろう
そして、最後にかわす口づけは
甘い果実の匂いがするだろう
僕達は知っている
狂おしいほどの二人の記憶も
憎しみも嫉妬も狂気という愛も
手のひらからこぼれてゆく砂のように
さらさらとかすかな音を残していくだけなのを……
僕達は待っている
僕達が手したナイフが
海中深く沈んでいく寂しい涙のように
嘆き悲しむ声も上げられないまま
その胸を貫いていくことを……