救済詩 『秘密の花園』 by KAINEL

秘密の花園

夢、夢、夢と死がつぶやいて
幻、幻、幻と生が囁いた

夢、夢、夢と君がつぶやいて
幻、幻、幻と僕は囁いた

穏やかな森の奥深く
そこに僕らの故郷はひっそりと佇んでいる
誰もやってこない、隔離された秘密の花園

すずめ、小鳥、窓、そこから見える風景
そよ風、土の匂い、緑の香り、匂い
ああ、美しい僕らの楽園

春、おとぎ話のつづき、深い森
繭、みなし子、ゆがんでもなお美しく気高い
残酷で優しい天使

天国、地獄
そう、僕らはとても無力な平和主義者
古い木製のベンチに腰掛けて、いつも笑いあっている

命、生命、愛
いずれ、あの人達は僕らを殺しにやってくるだろう
無表情な薄笑いを浮かべて……
だけど、僕らはそれを愛をもって受け入れて、
この命を惜しまず与えるつもりだよ

夢、夢、夢と生がつぶやいて
幻、幻、幻と死が囁いた

夢、夢、夢と僕がつぶやいて
幻、幻、幻と君は囁いた