救済詩 『はなびら』 by KAINEL

はなびら

春の終わり――
ふらつく足元に、たよりない自分の影が、蜃気楼のように揺れる
そして、今の僕には……、明るい太陽の光は本当に不似合いだ
薄紅の桜の花びらが散り始めるたびに、
僕はある過去を噛みしめ、あの過去を憎んでしまう

――誰もいない桜の木の下で、一人椅子に座っている思惟……
そう、幸福なんていうものは、そんなにすぐ見つかるものじゃなくて
たぶん、絶望なんていうものは、ありふれるくらい、ありふれている

ここから見える景色は、まぶしく明るいばかりなのに
冷たい椅子に座っている僕は、無意味に心を尖らせ
こうして、桜の花びらが散っていくのを見ているだけなんだ