救済詩『暗黒郷にて』by KAINEL

暗黒郷にて

手のひらに
渦巻く暗雲
響きわたる雷鳴

その奥には
吹き荒れる火焔と
聖人に群がる
奇怪な悪魔の群れ

罪を唆す魔物の舌
罪を戒める神の教え
揺れ動く心に
翻弄される魂

黄金の鎧をまとう天使
翻る鋼の翼
手にする天秤に
震える魂を置いて

言葉のない
その魂は
鉛より重かったり
塵よりも軽かったり

暗黒郷の華
罪と救いのはざまで
吹き荒れる火焔
天使に祈る人の群れ