救済詩 『愛されてみたい』 by KAINEL

愛されてみたい

傷口から吹き出る血を舐めるように
純粋に愛されてみたい
食い込んだ爪が肉を引き裂くように
残酷なほど愛されてみたい

愛憎にまみれた身体と魂は、純粋な証
肉欲に汚れた精神と身体は、苦悩の証

遠吠えが……
人の啼く遠吠えが聞こえる
求めても、求めても、手に入らないものを
嘆いて
すすり泣いて
手探りで探して
また捨ててしまう

愛されてみたい
盲目的な信仰にも似た迷いのない愛で
愛されてみたい
彼方からやってくる別離の悲劇など寄せつけない強さで
愛されてみたい
地獄の業火に焼かれる宿命を望んで受け入れる覚悟で
愛されてみたい

愛憎に狂った心と体は、人間の証
肉欲をむさぼる欲望と衝動は、人間の証

身体の奥で全能の支配者が取り乱している
人間の深き愛に狼狽して、頭を抱えて喚いている
人間の飽くなき愛にただうろたえている
たかが人間の愛に飢えている