救済詩 『あって、ないような僕と世界』 by KAINEL

あって、ないような僕と世界

あって、ないような僕の存在
なくて、あるような僕の存在
どちらも、そんなに違いなんてないのか
この思いも、感覚も、感情も……

あって、ないようなこの世界
なくて、あるようなこの世界
どちらも、ただの思い込みにすぎないのか
この空も、海も、世界も……

現在があって、過去があって、未来があって
明日があって、昨日があって、また明日があって

――だけど、それもあってないような……

出会いがあって、別れがあって、再会があって
希望があって、苦悩があって、つかの間の喜びがあって

――だけど、それもなくてあるような……

あって、ないような曖昧な時の階段を
なくて、あるような曖昧な時の階段を
あてもなく昇ったり、降りたり

僕は……
いったい、僕はいつまでしなければならないのだろう?
いや、いつまでするべきなのだろう?
あってないような僕と世界をつなげている
この曖昧な時の階段で……