救済詩 『走馬灯』 by KAINEL

走馬灯

太陽が草原を横切った
一本、一本の草をなでるように
光が僕の中を駆け抜けた
とても爽やかで、きらめいて
全てを失った僕に勇気を与えてくれた

戸惑いは果てしなく
迷いは永遠だけど……

斜めに伸びる急な坂道
目の前に広がる広大な草原
空高く流れていく雲
通りすぎた太陽が笑って
僕の気持ちも少し軽くなった

遥か下方に街が見える
色あせてちっぽけな存在だ
ここから眺めてみると、はっきりわかる
心の中で思い出が駆け巡った
もう少し生きてみたいと思った