救済詩『幽夏』by KAINEL

幽夏

けだるい月夜
深川の底に沈む
うたかたの恋

もの憂い夏
柳の枝に
絡みつく黒髪

湿った肌に
吐息が触れて
小舟が揺れる

滲む満月
揺れる波紋
行き交う人影

薄霧漂う
深川の夜
小舟が揺れる