救済詩 『まどろみ』 by KAINEL

まどろみ

僕は朽ち果ててゆくだろう
喉を切られたバラのように
僕は死んでゆくだろう
何も出来ずに

消え去った過去は美しくはかない
夢のまどろみに消えてゆく未来は蜻蛉に似て
かすかな絶望を僕に抱かせる。
現実が僕を抱きしめる
僕は立ち尽くす
目の前に広がる海は金色に輝き
彼女は泳いでゆく太陽に向かって

僕は叫びながら彼女の名前を呼んだ
彼女は泳いでいる手を一度だけ休め
僕に振り返り笑いかけた
かすかな絶望は美しくはかない
僕は穏やかな海をあとにした