救済詩 『迷い子』 by KAINEL

迷い子

飼い主に見放された犬が
通り過ぎる動物を睨みつけて
一日中吠えることを止めない

飼い主に捨てられた猫は
街の中をうろうろするだけで
自分ひとりでは何もできないみたいだ

ごみ袋をあさるカラスは
あり余る知恵を使って
優雅に空を舞っている

迷路に迷った人間は
いつでもどこでも
行くべき道を選びかねている

足元を縦横無尽に走り回る鼠は
邪魔者扱いされても気にしない
生きる事が何であるか知っているから