救済詩「デッサン」by KAINEL

デッサン 描きかけの紙を カルトンに クリップで止めて ヘルメス マルス モリエール ブルータス ゲオルギウス 木炭の炭を 指で押さえて ガーゼで 影をつくっていく ベルヴェデーレのトルソ ラオコーン サモトラケのニケ ...

救済詩「道化の契約」by KAINEL

道化の契約 いつしたのか どこでしたのか 真夜中 眠る家族を背に うつろに ひとり起きあがる 居間へ続く階段 一段、また一段と 降りるたび 胸に刻まれた 奇怪な紋章が 疼きだす 暗闇に浮かぶ室内 細い蠟燭の炎に ゆらゆら...

救済詩「工場」by KAINEL

工場 透明で見えない煙が ビルの屋上から 賑やかな大通りから デパートのショーウィンドーから 交差点の広告から 空に向かって もくもく 伸びている ここで 生産しているのは 憧れや偶像や 欲望や快楽や 我儘や贅沢など み...