救済詩 『僕と影』 by KAINEL

僕と影

ぽつぽつと降り積もる雪が
ただ、この心を白く染めていく
凍える肌にとけていく冷たい雪
点々と灯る街灯に影が映る

もうこんなところまで来てしまった
でも、まだ耳障りな話声が響いてくる
遠くからも、近くからも

ぽつぽつと降り積もる雪に
ふと、人のやさしさを思い出した
ところどころに赤い血の跡を残して
僕と影が寄り添って歩いていく

もうこんなところまで来てしまった
でも、まだ街の匂いが鼻についてくる
向こうからも、こっちからも

足元に残した赤い血の跡が
ぽつぽつと降り積もる雪に消されていく
それはまるで、
僕の生きてきた足跡が消えていくような
僕をこの世界からなくしてしまうような
そんな寂しい夜の光景だ

ぽつぽつと降り積もる雪
僕と影が寄り添って歩いていく