救済詩『思いの森』by KAINEL

思いの森

掌にこぼれる光
思いの森に
ひとり朝が訪れて

眩しい日差し
暗い地面が
息を吹き返す

光に包まれる
森の精霊たち
いきものたち

永遠の自由と
永遠の愛に
憧れながら

つかの間の自由と
つかの間の愛に
とまどいながら

足早に過ぎ去る
季節の足音に
耳をすまして

頬を照らす夕日
思いの森に
ひとり夜が訪れて

それぞれの魂が
帰り道を急いで
思い思いに消えてゆく

残された僕は
伝えたかった思いを
ただ胸に抱えたまま