救済詩 『聖なる罪』 by KAINEL

聖なる罪

ただ一切は過ぎてゆく
喜びに溢れた夏の日差しも
我が身を呪ったあの時でさえも

愛 夢 希望 全ては幻に過ぎない
天使の歌声、マリアの微笑み、キリストの慈悲
せめて果てのない闇へ飛び立つその前に
その無常の喜びをこの胸に刻めさせたまえ

美しさに溺れ、罪の上に罪を重ねた
夏が過ぎ、秋になり、冬が訪れると
女は突然姿を消した
あざけりの笑いを残して
今は 悲しみも不幸もなく
ただ一切は過ぎてゆく

私の身体は傷つき動かない
暗黒の鳥達が瞳を貫き
野獣達が幾千にも身体を引き裂いても
身体は痛みを求め続ける
魂は罪を求め続ける