救済詩『あいまいな心象風景』by KAINEL

あいまいな心象風景

簡単な事じゃないか
人生は……だけなんだ
そんな事も知らずに
今まで生きてきた

人生はあいまいだから
ふと希望なんてものも
あるんじゃないかって思っていた

だけど……
最初からなかったんだね
そんな事も知らなかった

淡い色彩の心象風景に浮かぶ
ぼんやりとした人影みたいなもの
僕を見て微笑んでいるように見える
誰が立っているのだろう?

お母さん……?
弟……?
妹……?
お兄さん……?
娘……?
妻……?
それとも、あのひと……?

あいまいな心象風景に浮かぶ
少しの孤独と寂しさみたいなもの
あっちで僕を見てる表情はわからないけど
楽しそうな向こう岸へ行ってみたい
あの川岸で立っている人たちの所へ

青く晴れた空は穏やかで
風になびく草木はきれいで
太陽の光は輝きに満ちている

ああ、こんなに寂しい気持ちもいつかは
あいまいになっていくのだろうか
川岸の小高い丘へ上った時には