救済詩 『Mortal anxiety』 by KAINEL

Mortal anxiety

頭のない殉教者
光る十字架
暗い大地
果てしない闇
沈黙という歌声
天使に汚された足首

私は重ね合わせる自らの運命を
魂は不滅なのだろうか
愛は消え去るだけなのか
頭のない殉教者は微笑むだけで
何も答えてはくれなかった

私は歩き出す
私は立ち止まる
幸福はいつもこの森にのみ込まれてしまう
鋭い棘をもつ茨の大地
沸き立つ血のような赤色の棘

獣達が眠る奥深い森の中
犯してきた罪は消えることはない
耳元で誰かが囁く
その声は自分の声に似ていた
この森は枯れるだろう
燃えてゆく指先を見つめながら
私は重ね合わせる自らの運命を