救済詩 『 ガラスの古城 』 by KAINEL

ガラスの古城

おやすみなさい
安心しておやすみなさい
暖炉は夜の間中
燃やしておきます
冷たい肌が温まるように

ここは地上から
はるか彼方
上方にそびえたつ
ガラスの古城
何百年、何千年もの昔から
人々の記憶から
忘れられてしまった
神話の世界

おやすみなさい
ゆっくりおやすみなさい

まぶたを閉じて
夢の中を駆け巡り
星座のかけらを集めましょう
光り輝く流星に乗って
果てのない旅に出かけましょう
そうして
疲れたらまた眠りなさい

きらめく星々のため息が
聞こえるでしょう
羽化した天使と悪魔の吐息が
耳の奥で囁いているでしょう

この祝福に身を委ねなさい
迷うことなんて
何の意味もないのです

ほら、またひとつ
神話が生まれました
あなたを優しく包みこむように
手招きして、笑っている