救済詩 『神が夢見た世界』 by KAINEL

神が夢見た世界

着いた!
神が夢見た世界に!
神さえも嫉妬する世界に!

どこまでも美しく
どこまでも透明で
意識だけが存在する世界
すべてが許されていて
すべてが禁断の匂いがして
すべてが閉ざされていて
神でさえも立ち入ることができない
この場所!

今、私はその場所に着いた!
ただの人である私が!

遠くから神々の泣き声が聞こえる
巨大な炎が暗黒の空を焦がし渦巻いている
わかっている、後を追ってきたのだろう
あの神々たちも……

雷鳴が鳴り響く空の下
神々は安息の場所を目指して進む
一歩、また一歩と――
永遠にたどり着くことのできない、この場所へ

焼け落ちる指先を見つめながら
燃えあがるその身体は
クロス十字の火柱となって
青白い光を放ちながら
この不気味な暗黒の空を
彼方まで焼き尽くしそうとしている