神が夢見た世界
着いた!
神が夢見た世界に!
神さえも嫉妬する世界に!
どこまでも美しく
どこまでも透明で
意識だけが存在する世界
すべてが許されていて
すべてが禁断の匂いがして
すべてが閉ざされていて
神でさえも立ち入ることができない
この場所!
今、私はその場所に着いた!
ただの人である私が!
遠くから神々の泣き声が聞こえる
巨大な炎が暗黒の空を焦がし渦巻いている
わかっている、後を追ってきたのだろう
あの神々たちも……
雷鳴が鳴り響く空の下
神々は安息の場所を目指して進む
一歩、また一歩と――
永遠にたどり着くことのできない、この場所へ
焼け落ちる指先を見つめながら
燃えあがるその身体は
クロス十字の火柱となって
青白い光を放ちながら
この不気味な暗黒の空を
彼方まで焼き尽くしそうとしている