救済詩 『春の朝に』 by KAINEL

春の朝に

さくらの花びら
いつもの病室
母の横顔がみえる

春の日差し
うららかな朝
母がベッドで寝ている

温かい母の手
僕はそっと手を握って
また話しかける

叶いそうもない夢のことや
夢みたいな夢のことを

僕の誕生日の次の日に
母は静かに息をひきとった