救済詩 『寂しい景色』 by KAINEL

寂しい景色

秋の終わり
枯れた背の高いすすきが
広い野原に生い茂っている
黄金色の穂がたなびいている

見上げれば、白い空は褪せているけれど
かといって何もない訳ではなくて
ところどころ凍えた息を吐いたような雲があって
冷たい冬がもう近いのを感じさせる

目の前の細い道は
風で揺れるすすきが邪魔で
この先どうなっているのかよく分からない
その上、大きく曲がっているようだ

寂しい景色
この野原には寂しさ以外に何もなくて
僕の心にも寂しさ以外に何もなくて
希望という言葉さえも
今ではもう何の意味も持っていない

輪廻と輪廻の間の細道をのろのろと
痩せた体を引きずって、歩みを進める二本の足
僕は大きくため息をついて
乾いた地面の上、そっと立ち止まった

避けられない宿命や逃れられない運命に
抗って、翻弄されて、戦って、苦悩して、沈黙して、また抗って、
そんなことばかり繰り返しながら
ほんのわずかな希望みたいなものを探してた

秋の終わり
もの悲しく、寂しい景色
枯れた背の高いすすきが
広い野原に生い茂っている
黄金色の穂がたなびいている