救済詩 『孤独の海』 by KAINEL

孤独の海

沈んでいく体が、深く、深く、深く
ほの暗い青い海の、奥へ、奥へ、奥へと
ひとり、ひとり、ひとり……ひとり
コドク、コドク、コドク、コドク……

消えていく苦悩が、やわらかに、やわらかに
消えていく悲しみが、ゆるやかに、ゆるやかに……
なくなっていく、なくなっていく
みんな分からなくなっていく

こんな広い海で、ただひっそりと
あてもなく、さまよい漂って
こんな深い海の底で、ただいつも
また、思い出してしまうんだ

あの人は死んでいった
そっと消えていく、そっと消えていくように
目を閉じて、あの人は死んでいった

物思いにふける
夕暮れが押し寄せてくる
こんな広い海で、ただひっそりと