救済詩 『 暗黒の夜に、怒れる嵐の中で 』 by KAINEL

暗黒の夜に、怒れる嵐の中で

すさまじい嵐が
行く手をさえぎって
僕の体を暗闇の中に
ひきずり込もうとして
おびただしい数の
見えない手がまとわりついて
うらめしそうに離れない

だけど
そのくらいの脅しくらいじゃ
この蹄の音はかき消せないよ
僕には見える
新しい世界が
新しい希望が
見えるんだよ
確かな確信をもって

馬の蹄の音は高く
胸の内なる鼓動は熱く激しく
荒れ狂う稲妻だって
少しも怖くない

大地を揺らす地響きだって
新しい船出のファンファーレとなり
真っ暗な大空に鳴り響いている

火花を散らし、燃えている木々の炎は
歓喜に湧く、勝利の炎
見てくれ!
行く手を照らす勝利の松明を

一緒に行こう
怖くなんかないさ
嵐の夜にこそふさわしい
ロマンティックで悲劇的で英雄的な
一大叙事詩の幕はもう上がっている

馬の蹄の音は高く
高鳴る胸の鼓動は早鐘のようさ
迫り来る稲妻よ
大地を揺らす地響きよ
共に祝おう
新しい世界に!