救済詩 『月下界』 by KAINEL

月下界

赤黒い炎が混ざり合う空の下で
我が子が奪いあい、貪りあい、殺しあう

火傷しそうな熱風が吹き荒れる大地で
我が子が騙しあい、盗みあい、憎しみあう

氷のように冷たい雨が降りそそぐ街で
我が子が傷つけあい、許しあい、愛し合う

青白い月の光が差し込む地の下で
我が子が泣きながら、震えながら、眠りについていく