Life in mirror
静謐な空間に
僕はひとり椅子に座っている
窓の向こう側は寒そうな曇り空で
つんと冷えた空気が街をおおっている
赤く燃えるストーブに、凍えた手をかざす
血の気のない冷たい肌が、飢えたようにその熱にしがみついて
ストーブの熱を奪っていく
窓の外が明るくなった
曇っていた空から、太陽の光がさしてきたからだ
僕はなんだか気分がよくなって、窓をあけてみた
つんと冷えた空気が鼻から入ってきた
今、今日、昨日、明日、同じようだけど、
少しづつ、だけど確実にかわっていく毎日
失ったもの、そのかわりに得たもの、
劇的に、微細に、だけどかわらない自分もいる
物音もしない室内で
僕によく似た鏡の向こうの男は、そう伝えたいようだった
そして僕は無表情に、鏡の男の話に耳を傾けていた
寒くて凍えそうな風景
つんと冷えた空気が体を締めつける
大きな窓に白い空が映っている