救済詩『エドワルドの夕暮れに』by KAINEL

エドワルドの夕暮れに

エドワルドの夕暮れに似た
赤と青が渦巻く空の下
病弱の妹を車いすに乗せて
僕はいつもの桟橋に向かう

川に浮かぶ夕日
揺れる黄昏の波紋
こころの憂鬱が
胸の奥から滲んできて

行き交う人々の群れ
やがてくる夜に
訪れる明日にとまどいながら
足早に消えていく

ひとつしかない生命の炎を
燃やして生きるしかない
僕たちの明日は
いつも曖昧で不透明で

悲しむことさえ
叫ぶことさえ
不自然に感じてしまうほど
儚いものに思えて
もろいものに感じて