救済詩 『Blue fish』 by KAINEL

Blue fish

きらめいて揺れる街の灯り
行き場を無くした熱帯魚
透明な水に身をゆだねながら
水槽という楽園でおまえは何を思う

高鳴る鼓動と冷めた情熱
あてもなくむさぼりあう夜に漂い
いつものように抵抗もできず
逃れられない闇に落ちてゆく

自由という檻の中
窓の外で降りだした冷たい雨
ガラスに映る自分の影が
冷たい顔で気がつくのが遅いと呟いた
ゆがんだ愛が心を狂わせ
愛なんて信じてないなんて
愚かなことを口走る

楽園という檻の中
透明な空気に身をゆだねながら
水槽に飛び込む自分は何を思う