救済詩 『地上にて』 by KAINEL

地上にて

許されるなら
地上の罪の全てを
私の命とひきかえに

許されるなら
地上の幸福の全てを
私の命とひきかえに

流れ星……
本当にきれいだと思う

ああ、生きていれば罪を犯してしまう
薔薇の棘みたいな罪を……
そのあとには、点々と小さな赤い傷跡が残って……

僕は両手を広げる
何もない空に向かって、心の空に向かって

叶えられるなら
地上の罪の全てを
私の命とひきかえに

叶えられるなら
地上の幸福の全てを
私の命とひきかえに

父の言葉が天上から降りてくる
精霊の歌声が耳の奥でこだまする

僕は罪ではない罪を、犯しているのかもしれない
天使の許されていない罪を、悪魔の許されていない罪を
そんなことばかり、いつも考えてしまう

物思いにふける、夕暮れが近づいてくる
そう……やがて、太陽が燃え尽きる時がきても
あなたと私を同時に愛せないことは分かっているのに……