救済詩 『芸術と神の前で』 by KAINEL

芸術と神の前で

麦畑の地平線から
夥しい黒い鳥が
真昼の空を埋めつくす

僕が描きたいのは
目の前の景色ではなく
ましてや精神の内側の心象風景でもない
新しい芸術なんだ

僕はなにか大きな力に、つき動かされている
その力は確かで疑いようがない

それが神の意志なのか
僕自身の宿命なのか
はっきりとは区別できないが