救済詩 『柔らかな夜』 by KAINEL
柔らかな夜 しめやかな夜に響く 凛々しくて、悲しくて、たどたどしくて 痛くて、気高くて、自虐的で、救いのない歌声 胸の奥から聞こえる魂の咆哮 赤い衣をまとった呪われた生きもの 鋭い爪がさっと光って、赤い線ができた もう、...
柔らかな夜 しめやかな夜に響く 凛々しくて、悲しくて、たどたどしくて 痛くて、気高くて、自虐的で、救いのない歌声 胸の奥から聞こえる魂の咆哮 赤い衣をまとった呪われた生きもの 鋭い爪がさっと光って、赤い線ができた もう、...
舞台 美しき女庭師、足元のあなた 薄曇りの柔らかな空の下で なぜそんなに楽しそうに、遊んでいらっしゃるのです? 幕の向こう側のざわめきが聞こえないのですか こちらときたら 悲劇の予感と焦燥と 運命の歯車がきしむ音に 心を...
瞬き 記憶の隅にある薄暗いカフェで 気難しい小説家が 熱心に歴史書を読みふけっていた 太陽の光とは無縁な白い顔で 眉間に苦悩のしわを寄せて 裸電球の落とすわずかな光の下 街のにぎやかに行き交う人波に目もくれず しんと静ま...
僕と影 ぽつぽつと降り積もる雪が ただ、この心を白く染めていく 凍える肌にとけていく冷たい雪 点々と灯る街灯に影が映る もうこんなところまで来てしまった でも、まだ耳障りな話声が響いてくる 遠くからも、近くからも ぽつぽ...
孤独の海 沈んでいく体が 深く、深く、深く ほの暗い青い海の 底へ、底へ、底へと 消えていく苦悩が、 やわらかに、やわらかに…… 消えていく悲しみが ゆるやかに、ゆるやかに…… なくなっていく なくなっていく 分からなく...