救済詩 『夏に』 by KAINEL

夏に 夏に生まれました 初夏ではなく、蝉の鳴く暑い夏に 小川のせせらぎが、耳の奥で心地よく響く夏に あの晴れた日に 風鈴の音 鮮やかな赤と黒の模様の金魚 青空に映える入道雲 透き通るような澄んだ空気 素肌に照りつける心地...

救済詩 『幻詩』 by KAINEL

幻詩 霧のたちこめる 月明かりに浮かびあがる 白い蝶の群れ ひらひらと羽をはためかせ 魂の水面を、あてもなく飛んでいく 漆黒の空は心の影 輝く白い月は儚い人の夢 足元の水草はまとわりつく生の迷い 今私はこの時を静かに思う...

救済詩 『 思惟 』 by KAINEL

思惟 気持ちがいい! こんな晴れ晴れとした気持ちは久しぶりだ 何もない幸福を感じる 何もない幸福? そう、今の僕には何もない 生まれた時と同じか…… いや、まるで違うんじゃないか 少なくともあの時は、もっと愛されていたよ...