救済詩 『夏に』 by KAINEL
夏に 夏に生まれました 初夏ではなく、蝉の鳴く暑い夏に 小川のせせらぎが、耳の奥で心地よく響く夏に あの晴れた日に 風鈴の音 鮮やかな赤と黒の模様の金魚 青空に映える入道雲 透き通るような澄んだ空気 素肌に照りつける心地...
夏に 夏に生まれました 初夏ではなく、蝉の鳴く暑い夏に 小川のせせらぎが、耳の奥で心地よく響く夏に あの晴れた日に 風鈴の音 鮮やかな赤と黒の模様の金魚 青空に映える入道雲 透き通るような澄んだ空気 素肌に照りつける心地...
幻詩 霧のたちこめる 月明かりに浮かびあがる 白い蝶の群れ ひらひらと羽をはためかせ 魂の水面を、あてもなく飛んでいく 漆黒の空は心の影 輝く白い月は儚い人の夢 足元の水草はまとわりつく生の迷い 今私はこの時を静かに思う...
リビングチェアに座って ぼんやりとした明かりの下 僕はリビングチェアに座っていた 両肘をテーブルについて 憂鬱な想いに心を巡らせて 朝がやってくる 父の声、忙しそうにパンを食べて 『行ってきます!』とドアを開けて出ていっ...
『K』 西日の影が長く伸びている 遠く物静かな、なぜか懐かしい思い そして、悲しくもなく、うれしくもない 寂しく憂鬱な気持ち 血を溶かしたような赤色の太陽 その光に照らされて 僕はここで立ち尽くしている あてもなく、こう...
思惟 気持ちがいい! こんな晴れ晴れとした気持ちは久しぶりだ 何もない幸福を感じる 何もない幸福? そう、今の僕には何もない 生まれた時と同じか…… いや、まるで違うんじゃないか 少なくともあの時は、もっと愛されていたよ...