救済詩『顔』by KAINEL

顔 電車に乗ったら 顔が並んでいた すました顔で みんな並んで 少し戸惑った僕は 閉まるドアの横に立ち 遠くの街並みを見た こんなこと 珍しいことでもないし 驚くことでもないのに 顔が並んでいる ずっと向こうまで すまし...

救済詩『工場』by KAINEL

工場 透明で見えない煙が ビルの屋上から 賑やかな大通りから デパートのショーウィンドーから 交差点の広告から 空に向かって もくもく 伸びている ここで 生産しているのは 憧れや偶像や 欲望や快楽や 我儘や贅沢など み...

救済詩『なぜ、僕は……』by KAINEL

なぜ、僕は…… なぜ問わないのか…… きらびやかな 街の片隅で ひとり孤独に 死んでいく たくさんの魂を なぜ問えないのか…… 摩天楼の夜の下 餌を探し続ける ネズミのように 走り回る たくさんの魂を ひと月の生活の糧と...

救済詩『夢みた世界』by KAINEL

夢みた世界 ここじゃない とびきり豪華な 美味しい料理を 好きなだけ 楽しめても ここじゃない 意識がとろける 娯楽や快楽を 望むだけ 楽しめても ここじゃない とびきり高級で 華やかな衣装を 好きなだけ 身に着けても ...